カニシーズン真っ只中ですが、よく蟹に付着している黒いブツブツは何だろう?と思い調べてみました。
タラバガニにも見かけますが、ズワイガニ(松葉ガニや越前ガニ)の脚でなく甲羅に大きい粒が付いている印象があります。
子供の時とかには、大人達から「この黒い粒がいっぱいついている方が旨い蟹なんだ!」なんて聞いた記憶がありますが、果たして真相は?!
この黒いぶつぶつの正体は、「カニビルの卵」です。
カニビルは名前の通りヒルの一種で、細長い体で魚に付着して体液を吸って生きています。
かなり気持ち悪いのを想像しますが、卵はカニにくっついているので見れますが、成体を見る機会はめったにないそうです。
またカニに付着している卵から生まれたカニビルは、そのままカニに寄生したり体液を吸う事もなく、離れていきます。
あくまで蟹は卵を産み付ける場所になっているだけで、寄生の対象にはなりません。
カニビルの生息域にはやわらかい泥しかなく、卵を産み付ける場所がないので蟹が利用されてしまっている訳ですね。
岩場の多い場所だと岩に卵を産み付けられるので、そのような場所で獲れた蟹にはカニビルの卵は付いていないそうです。
そしてこの黒いブツブツが多く付着している蟹がうまいか?ですが、結論からいうとあまり目安にはなりません。
なぜこのような俗説が生まれたかというと…
ズワイガニは脱皮をします。
そして脱皮前には、新しい甲羅を作るため栄養を使います。そうすると身入りが少なくなってしまうということです。
カニビルの卵が多く付いているということは、「脱皮してから時間が経過しているはずだ」との仮説から、そのように言われたわけです。
しかし、漁獲した場所によっては旨い蟹でも付いていませんし、脱皮時期とズワイガニの漁業解禁期間に何ヶ月かの期間が開くこともあり、その間に産卵される場合もあることから必ずしも上記の俗説が正しいとは言えなくなります。
ただ漁師の方もそう言われているのを聞いたことがあるので、完全に間違ってはいないと思うのですが…
なんだか曖昧な答えですが、「蟹についているブツブツの粒は、大きい方が旨い!とは言い切れないけど目安にはなる」ていう結論にさせていただきたいと思います。